鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

MENU

別所温泉の老舗旅館「花屋」は土曜日も1人泊OK。硫黄の香がする温泉はお肌ツルツルの美人の湯

長野県の別所温泉は、硫黄の香が漂うアルカリ性のお湯で、お肌がツルツルしてくる女性に嬉しい温泉です。「別所温泉駅」の駅前が温泉街で鉄道でのアクセスが良い温泉地。有形文化財の建物がステキな老舗旅館「花屋」に、土曜日の夜でも一人で泊まれるプランが出ていました。お値段は2万円を超えてしまい、ちょっと高かったけれど、まだまだ土曜日に一人泊できる宿は貴重なのでご紹介します。

※この記事は2019年3月に宿泊したときのものです。当時は土曜日の夜でも1人旅プランがありましたが、2022年8月に宿のプランをチェックしたところ、土曜日の夜は1人旅プランの空室はありませんでした。

f:id:noririn3103:20190903124905j:plain

花屋と言えば渡り廊下でつながる景色が有名

「花屋」まで駅から徒歩10分

最寄駅は上田電鉄終点「別所温泉駅」。温泉の名前が駅名になっているというだけあって、駅前が温泉街です。温泉街と言っても歓楽街ではなく、宿や食堂が点在しているという感じ。信州の鎌倉というタイトルの通り、神社仏閣もある落ち着いた温泉街という印象でした。

f:id:noririn3103:20190314203310j:plain

別所温泉駅の目の前が温泉街

「花屋」は駅から徒歩5~10分くらいです。

 

別所温泉の街は、駅から上り坂の中にあり、離れた宿だと歩いて行ける距離ですが、思いのほか足がくたびれそうですが、「花屋」はそんな坂の中の宿の中では一番駅に近い旅館の一つです。

f:id:noririn3103:20190314203940j:plain

それでも歩くのはつらい、という方には、列車の到着時間に合わせて、温泉街を回ってくれる無料のシャトルバスがあります。(ただし到着時間が14時から17時台。12月~3月は土日のみ対応)

 チェックインはこんな趣のあるロビーで行います。ウェルカムドリンクとかはありませんでした。

f:id:noririn3103:20190903124702j:plain

チェックインは雰囲気のあるロビーで

お部屋

今回のプランは木造2階建ての本館のお部屋。「花屋」を紹介する雑誌や写真などでは、渡り廊下で奥へ奥ヘと進んでいく写真が出ていて、離れの客室がウリなんだと思います。温泉露天風呂付きの離れもありますが、一人旅の私にはちょっと予算があいません。なので本館のお部屋を予約しました。土曜日の2食付きで23,910円でした。

お部屋は、本館2階の6番というお部屋。踏み込み、2畳の取次、8畳の和室、広縁で、広縁の奥にトイレ、反対側に洗面所があるお部屋でした。

f:id:noririn3103:20190314210116j:plain

8畳の和室

鏡のある場所が室内の洗面所です。

f:id:noririn3103:20190314210227j:plain

広縁にはトイレと洗面所がある

部屋に案内してくれた係りの女性がお茶を入れてくれ、温泉の案内や食事時間の確認をしてくれます。お茶請けはみすず飴でした。

f:id:noririn3103:20190314210434j:plain

お茶請けはみすず飴

お部屋には、浴衣と半纏、お風呂用のタオルとバスタオル。お風呂用のタオルを入れるビニール袋もついています。さすが老舗旅館、旅館名は印刷ではなく刺繍ですね。

f:id:noririn3103:20190314211640j:plain

浴衣と半纏、タオル類

アメニティはシャワーキャップやブラシなど基本的な物のみ。化粧水や乳液も部屋にはありませんでした。

f:id:noririn3103:20190314211714j:plain

アメニティ

別所温泉街には共同浴場があり、外湯の入場券がサービスされました。外湯に行くのに便利な湯籠は室内にはないのですが、玄関で貸し出ししていました。一人泊でしたが、なぜかカギは2本貸してくれました。お箸がお土産につきました。

f:id:noririn3103:20190314212128j:plain

外湯の入場券とお土産のお箸

冷蔵庫は広縁にあります。中にはビールなどの飲み物があらかじめ入っていて、自分で伝票に書いて精算するシステムでした。お水も有料です。

f:id:noririn3103:20190314212316j:plain

冷蔵庫

Wi-fiフロントで聞いてみたのですが「ご用意はありません」とのこと。うーん、残念です。

温泉

まだ館内にお客さんは多くはなさそうだったので、空いているうちに温泉を楽しむことにしました。大理石風呂と若草風呂という2つの大浴場があり、時間で入れ替え制。入れ替えの時間帯以外は滞在中、いつでも入れます。チェックインした時間帯は、若草風呂が女性用です。

f:id:noririn3103:20190314212503j:plain

大浴場は時間で入れ替え制

 

若草風呂

こちらが若草風呂の入り口。

f:id:noririn3103:20190314213657j:plain

若草風呂の入り口

中に入ると、まだ誰もいません。独泉できそうです。

f:id:noririn3103:20190314213733j:plain

脱衣所

脱衣所内には、冷水器がありました。洗面台含めてお掃除が行き届いている印象。

f:id:noririn3103:20190314213822j:plain

冷水器が用意されていた

アメニティはクレンジングと綿棒だけで、化粧水、乳液、コットンはありません。

f:id:noririn3103:20190314213911j:plain

アメニティは少ない

浴室内に入ると、硫黄泉というだけあって、硫黄のかおりがして、あ~温泉にきた~という感じがします。湯船は広々。外の景色は、見えなくもないですが、あまり良い景色というわけではありません。外の光が入って、とても明るい浴室で気持ち良いです。

f:id:noririn3103:20190314214033j:plain

若草風呂の浴室

ふぅ~気持ちいい~。温泉は源泉かけ流しです。湯温は40~41℃くらいかな。熱すぎず、ゆっくり沈んでいられます。pHが8.7でアルカリ性の温泉のせいか、入っていると肌がつるつるしてくるのがわかります。

f:id:noririn3103:20190314214245j:plain

すごく気持ち良いお湯

別所温泉の飲める温泉なので、給湯口にはコップが用意されていました。

f:id:noririn3103:20190314214647j:plain

飲める温泉

露天風呂

貸切状態だとのびのび入れるので、若草風呂で温まったあとは、露天風呂にはしご湯しました。何でも空いているうちが一番です。内湯から直接行くことはできないので、一度浴衣を着て向かいます。

f:id:noririn3103:20190314215050j:plain

浴衣を着て、ドアの向こうへ

露天風呂までは少し歩きます。屋根はありますが、風が強い雨の日は少し濡れるかも。この日はお天気が良く、緑の中を歩いてお風呂に行くのも風情があります。

f:id:noririn3103:20190314215206j:plain

奥へ歩きます

露天風呂は男女別々に用意されています。

f:id:noririn3103:20190314215412j:plain

階段を下りたら入り口です

f:id:noririn3103:20190314215543j:plain

暖簾をくぐって中に入ります

脱衣所です。2~3人立ったらいっぱいかも。露天風呂との間にドアはないので、夏は蚊がいるかもしれませねぇ。

f:id:noririn3103:20190314215709j:plain

露天風呂の脱衣所

脱衣所を露天風呂側からみるとこんな感じ。風雨が強い時には中に雨が吹き込むかもしれません。

f:id:noririn3103:20190316114940j:plain

露天風呂から脱衣所を見る

露天風呂に屋根はないので、雨の日は入りづらいかもしれませんね。

f:id:noririn3103:20190314215735j:plain

貸切状態の露天風呂

こちらもじっくり沈んでいられる温度です。屋外のせいか、硫黄のかおりは内湯より弱いかも。

f:id:noririn3103:20190316114755j:plain

露天風呂

露天風呂がある場所の横は川が流れていますが、その向こうに観光客用の駐車場があるため、眺望はありません。けれど、塀の内側に木が植えられていて、スペースもそこそこあるので、木々の緑と青空を見ながら入れる露天風呂は気持ち良いです。

大理石風呂

内湯のもう一つ、大理石風呂は夜10時からが女性用になります。

f:id:noririn3103:20190316120755j:plain

女湯の暖簾がかかる大理石の湯の入り口

大理石風呂はちょっと変わったレイアウトで、浴室内が壁で二つに仕切られています。想像するに、昔は仕切られた狭い方が女湯、広い方が男湯だったのではないでしょうか。脱衣場は一部屋になっているのですが、脱衣かごの置き場が2箇所に分かれていました。まずは小さい方の浴室。

f:id:noririn3103:20190316115702j:plain

小さい方の浴室の湯船

こちらは大きい方の浴室で、湯船は2つあります。

f:id:noririn3103:20190316120714j:plain

大きい方の浴室は湯船が2つ

こちらも気持ちいい。別所温泉のお湯は温度が熱すぎず、私好みなのがとっても良いです。

f:id:noririn3103:20190316120939j:plain

別所温泉、最高です!

こちらの湯口にも飲泉用のコップが用意されています。

f:id:noririn3103:20190316121010j:plain

湯口

浴室内にはミキモトのシャンプー、リンス、ボディソープです。

f:id:noririn3103:20190316121715j:plain

浴室内のアメニティ

脱衣所は広々。脱衣かごの位置は左右2手に分かれています。

f:id:noririn3103:20190316121754j:plain

広々した脱衣所

洗面台も清潔。でも化粧水や乳液などはありません。

f:id:noririn3103:20190316121842j:plain

洗面台

湯上りには麦茶の用意。

f:id:noririn3103:20190316121908j:plain

麦茶

温泉の成分と利用状況

温泉成分表は、内湯も露天風呂も脱衣所に掲示されています。

f:id:noririn3103:20190316122442j:plain

温泉成分表

4号源泉とありますが、花屋の自家源泉ではなく、別所温泉の共同源泉のようですね。泉質はアルカリ性単純硫黄泉です。利用状況は、加水あり、加温あり、循環なし、源泉かけ流し100%とのこと。嬉しいです。

f:id:noririn3103:20190316123311j:plain

温泉の利用状況

内湯はいつ行っても、シャワーが同じ方向に揃えられていたり、洗面台のドライヤーも同じ向きを並べられていて、清掃が行き届いている印象でした。

 

食事

本館宿泊者の食事は夕食・朝食ともに食事処でいただきます。離れは部屋食のプランもあるようです。

夕食

夕食の会場は折り上げ天井になっていて、さすが有形文化財の宿と言う感じ。

f:id:noririn3103:20190316135746j:plain

夕食の会場

本日の献立。

f:id:noririn3103:20190316140111j:plain

お品書き

食前酒を飲んでお食事スタートです。

f:id:noririn3103:20190316140308j:plain

いただきまーす

八寸のお料理はどれも美味しそう。

f:id:noririn3103:20190316140353j:plain

八寸

お造りは海のお魚でした。

f:id:noririn3103:20190316140712j:plain

お造り

蒸し物は豆乳蒸し。

f:id:noririn3103:20190316140936j:plain

豆乳蒸し

この豆乳蒸し、中にカキが入っていて、貝が食べられない私は思わずギョッとしました。予約の時にも貝が食べられないことは伝えてあったし、チェックインの時にも係りの方が「貝が食べられないと伺っています」と確認もしてくれたので、安心していたのですが…。まぁアレルギーと言っても、貝そのものを食べなければ大丈夫なので、カキはそのまま器の中に残しました。それで気が付いたのか、後から男性の方が謝罪にみえました。

焼き魚は鰆でした。

f:id:noririn3103:20190316141230j:plain

鰆の焼き魚

お鍋は豚肉のしゃぶしゃぶです。

f:id:noririn3103:20190316141324j:plain

豚肉のしゃぶしゃぶ鍋

ご飯は長野県産コシヒカリで美味しかったです。

f:id:noririn3103:20190316141421j:plain

ご飯、お味噌汁、香の物

食後にデザート。

f:id:noririn3103:20190316141915j:plain

デザート

朝食

朝食会場は夕食とは別の会場で山小屋風な感じの室内でした。

f:id:noririn3103:20190316142630j:plain

朝食会場

いろいろなお料理が籠の中に入っていて見た目もかわいい。

f:id:noririn3103:20190316142557j:plain

朝食

まずは信州リンゴのジュースから。

f:id:noririn3103:20190316142713j:plain

信州リンゴのジュース

卵料理は、オムレツ、だし巻卵、温泉卵の3つからチョイスというシステム。私は温泉卵をチョイスしましたが、冷たい温泉卵が出てきてちょっと残念。

f:id:noririn3103:20190316165526j:plain

冷たい温泉卵

食後にコーヒーが飲みたかったな、と思いました。

登録有形文化財の館内を探検

「花屋」の建物は国の登録有形文化財になっていて、日本文化遺産を守る会の会員宿でもあります。私は古い木造建築の宿が好きなんです。白い蔵のような建物も素敵。夕食会場だった場所かな?

f:id:noririn3103:20190314203808j:plain

駐車場エリアに古い建物

玄関も風格があります。創業は大正6年という歴史のある宿です。

f:id:noririn3103:20190314204336j:plain

風格ある玄関

階段もピカピカに磨かれていて、生け花が映えますね。

f:id:noririn3103:20190316173638j:plain

踊り場の花

館内

館内のレイアウト図です。私が宿泊した本館(写真の右端の1~8の部屋がある建物)の部屋数は少なく、離れがメインの宿なのがわかります。迷路のよう。

f:id:noririn3103:20190314212651j:plain

離れが中心の宿

2階から奥の方を見てみました。屋根が重なりあっていて、奥行きの深さを感じさせます。

f:id:noririn3103:20190316173748j:plain

屋根が重なり合いながら続く

「花屋」といえば、この渡り廊下をイメージされる方も多いのでは?雑誌などに紹介されているシーンですね。

f:id:noririn3103:20190316171835j:plain

渡り廊下で池を渡る

渡り廊下は池の上を横断しています。

f:id:noririn3103:20190316171952j:plain

ロビーから見た渡り廊下

奥の方へ探検に出かけました。

f:id:noririn3103:20190316172119j:plain

建物の奥へ

水車がありました。

f:id:noririn3103:20190316173309j:plain

水車

この格子戸の向こうは武家屋敷の間のようです。横には石垣を模した壁まであります。2人以上だと宿泊できるようです。

f:id:noririn3103:20190316172324j:plain

格子戸

格子戸はあかないので、横の渡り廊下をさらに奥へ進んでみます。

f:id:noririn3103:20190316172515j:plain

奥へ

f:id:noririn3103:20190316172536j:plain

さらに奥へ

いったいどこまで続いているんでしょう。さすがに離れの人に出会いそうなので引き返しました。

f:id:noririn3103:20190316172611j:plain

さらに続く

扉に新聞がはさんであるお部屋もあったので、離れのお客さまには朝刊のサービスがありそうです。

お庭

露天風呂に行く時に、通路が露天風呂の入口よりさらに奥に続いていたので、そちらにも行ってみました。なんてったって、敷地面積は6500坪という広大な敷地です。

f:id:noririn3103:20190316173212j:plain

露天風呂の入り口の先に下駄が置いてある

奥へ続く道。

f:id:noririn3103:20190316173411j:plain

林の中の道

進むと一軒家とお庭に出ました。昔は誰かのお家だったのかな。今は誰も住んでいなそうだし、宿泊棟というわけでもなさそうです。

f:id:noririn3103:20190316173532j:plain

林の中に建物がありました

嬉しい11時チェックアウト

「花屋」の嬉しいサービスの一つに、11時チェックアウトがあります。チェックアウトは10時のお宿が多いけれど、11時チェックアウトだと、朝の時間が有効に使えます。私は荷物を部屋に置いたまま、別所温泉街をぐるっと回ることができました。 別所温泉の中には北向き観音や足湯、お洒落なカフェがあるので、朝食の後に散歩に出るのも良いですよ。

全体を通じて

別所温泉は温泉が気に入りました。熱すぎず、かすかに硫黄の香がするお湯が私好みです。お肌がツルツルになるアルカリ性というのも嬉しい。ただこれは共同源泉のようなので、花屋以外の宿でも楽しめるのだと思います。温泉街にある足湯でも同じように感じたので。

宿の女性スタッフは皆さん到着時も翌朝も着物を着ているし、木造の建物や大理石風呂のしつらえなどからも風格が伝わる旅館でした。スタッフも多いので、何かを待たされる、ということはなかったし、清掃も行き届いている印象です。お風呂はいつ行っても綺麗に整えられていました。

一方で1泊2万円以上するお宿(2食つき入湯税込みで、23,910円)。にしては、「?」 と思うもありました。食べられない食材については事前に電話で確認したし、到着時にも係りの人が確認してくれていたにも関わらず、夕食時にその食材が出てきてびっくり。wi-fiがなく、朝のコーヒーもないのはマイナスポイントでした。支払いはクレジットカードOKです。

一人旅プランがあるのはとてもありがたいのですが、食事の時に席は夕食も朝食も一番厨房に近い席をあてられて、ひっきりなしに仲居さんが出たり入ったり。ちょっと落ち着きませんでした。ついたてみたいなものがあると良かったと思います。

花屋の公式サイトはこちらです。

www.hanaya.ne.jp

 

温泉が気に入ったので、また別所温泉には行くと思いますが、他にもお宿があったので、次回は別の宿をチョイスしてみようと思います。お宿は別所温泉の観光協会にも掲載があります。

www.bessho-spa.jp

一人旅を歓迎していそうな宿としてはこちらの宿なんかも良さそうです。 

www.uematsuya.com

静かな温泉に旅をされているゆうさんも別所温泉で宿泊されていました。つるやという旅館の宿泊記が掲載されています。

www.onsen-oh-yu.com

緑屋吉衛門という旅館でも土曜日の一人泊でプランが出てきました。源泉は花屋と同じ4号源泉とありますが、加水・加温なしとあります。貸切風呂があるのも良いですね。

www.midoriya-ryokan.jp

こちらも土曜日の夜に一人泊で検索したらプランが出てきました。

saito-ryokan.com

案外一人旅OKの宿ありそうです。お湯も良いので、またのんびりと行きたいと思います。