温泉宿「神代の湯」は伊豆の中央付近に位置していて、修善寺駅からだと車で15分くらい。源泉かけ流しの温泉があり、土曜日でも一人泊でき、1万円以下で泊まれるという大変ありがたい温泉宿です。
「神代の湯」の概要
「神代の湯」は静岡県伊豆市にある小さな温泉宿なのですが、「楽天トラベルお客様評価”日本一”獲得」という宿なんです。温泉は、加温・加水・循環・消毒なしの源泉かけ流しという素晴らしいお湯。我が家からだと伊豆は日帰り圏内なので今まであまり泊まったことなかったのですが、私がいつも参考にさせていただいている、月山ももさんのブログでも紹介されていたので行ってきました。
チェックインは昼の12時
チェックインはなんとお昼の12時なんです。今までこんなに早い時間にチェックインさせてくれる宿に出会ったことがありません。温泉三昧してくださいね~ということなのでしょう。今回はあまりに天気が良かったので途中寄り道をして、14時に宿に到着。すでにチェックインしているお客さんが何組かいました。駐車場にはご覧の通り、お客さんの車が停まっています。
玄関を入ります。
フロントで名前を言うと、部屋のカギをいただけます。初めての利用かどうかを聞かれるので、「初めてです」と言うと、ご主人がフロントから出てきて、食事処や大浴場への行き方、貸切風呂の予約方法などを教えてくれますが、部屋への案内はなく、自分で部屋に行く方式です。といってもフロント前の階段を上がり2階に8部屋あるだけなので、迷うことはありません。
お部屋
お部屋は6畳、8畳、12畳と3種類あるようです。一人旅なので6畳の「紫陽花」というお部屋でした。
6畳間にはテーブルと座布団。座椅子はありませんでした。
部屋から出入り口方向を見るとこんな感じ。踏み込み部分もコンパクトです。
西日が入る部屋でした。カーテンではなく、ブラインドがついていました。遮光性は高くないので、朝は日の出とともにそこそこ明るくなります。でも健康的で良いと思います。
お布団はセルフ形式です。なのでチェックインと同時にお布団敷いてゴロゴロすることもできます。お部屋の防音は今一つで、隣の部屋の話し声が聞こえてきます。私が泊まった時には大声で深夜まで話すようなお客さんはいなかったので、うるさくて眠れない、というようなことはありませんでした。
お部屋の設備やアメニティ
お部屋にはテレビがありますが、冷蔵庫はありません。
お茶のセットは、ほうじ茶が用意されていて嬉しい。
ドリップ式のコーヒーが1回分用意されていました。砂糖とマドラーはありましたが、クリームはついていません。
こういうタイプのコーヒーですね。
アメニティは、浴用タオル、バスタオル、作務衣、半纏、歯ブラシ、コットンとカミソリでした。(綿棒があったかどうかチェックし忘れました)
浴衣が上手に着られずいつも着くずれしてしまう私には、作務衣はありがたい。着ていて楽だったので、持って行ったマイパジャマは着ないですみました。
コンセントは部屋の隅に2口ありました。私は寝ている間にスマホの充電をするのですが、目覚まし時計にもスマホを使うので、枕の位置とコンセントが近いと助かります。こちらのお部屋は自分で好きなようにお布団敷けるので、問題ありませんでした。
また部屋の照明はリモコンなので、お布団に入ったまま消灯もOK。
温泉
お部屋で一服したら、さっそく温泉につかりに行きます。温泉は男女別の大浴場が1か所と貸切風呂があります。大浴場には露天風呂もあります。大浴場は23時まで。翌朝は6時から8時までしか利用できません。8時からは清掃に入ってしまうので、実質朝食までの間しか大浴場は利用できません。食後に入りたい場合は、貸切り湯を使うことになります。
大浴場
大浴場は宿泊部屋がある建物から一度サンダルに履き替えて、橋を渡った先の建物内にあります。
こちらでサンダルに履き替えます。
源泉かけ流しですよーという貼り紙。期待できます。
この橋は神代橋というのですね。下の写真はお風呂がある建物から、客室のある建物方向を撮影したものです。橋の脇には桜が数本あって、満開の時にはきれいだと思います。私が泊まった時は、散りはじめという時期でした。
お風呂のある建物に入ったら、サンダルを脱いで下駄箱に入れます。ずいぶんたくさんの靴をしまえる下駄箱ですねー。こんなにたくさんの人が来ても大丈夫な大きさのお風呂とは思えませんが・・・
入り口には湯上りに飲む牛乳の自動販売機もあります。湯上りに牛乳は日本の温泉文化なのかな?
男女別に暖簾がかかっているので、女湯へ。入口の引き戸が開いていたのですが、だれも入っていないというサインなのかも。
脱衣所は鍵付きのロッカーが並んでいました。
洗面台にはドライヤーがありますが、化粧水や乳液の類はありません。シャワーキャップもないので、必要な方は持参しましょう。
さっそく浴室へ。まずは内湯から。手前の湯船が内湯で、ガラス戸の向こうが露天です。
温度は熱すぎずぬるすぎず。40~41℃くらいでしょうか。ゆっくり入っていられる温度です。湯船は5人くらいは同時にはいれそう。手足をせいせいとのばすなら3人かな。湯船は石でできていました。貸切状態でのびのび入らせていただきました。
続いて露天風呂。露天風呂は屋根がついているので、雨の日も安心ですね。この日は天気が良くて、青空と緑を眺めながらの湯あみです。
露天風呂の湯温は、内湯よりややぬるめ。長湯できる温度でした。露天風呂の湯船は周囲は木枠ですが、底はごらんのような玉砂利風。
給湯口からは勢いよく湯が注がれています。これだけ勢いよく湯が出てきていて循環なしということは、結構な量のお湯が湧いているということでしょうかね。
洗い場は内湯側に4つあり、シャワーの水圧も申し分ないです。シャンプー、コンディショナー、ボディソープの3点セットが設置されています。
そして洗面器はおなじみのケロリン。
北投石ミストサウナ
こちらのお風呂には「北投石ミストサウナ」も設置されています。
サウナの中はこんな具合で、寝転んで入るサウナのようですが、うーん、貸切なら裸で寝転がっていても良いけれど、誰かが入ってきたらやだな~。ミストサウナなので、しっとりした感じがします。ミストは上から出ていました。
無料の貸切湯
神代の湯には宿泊棟に隣接した建物の中に、貸切湯があります。無料で利用でき、チェックインの時に予約簿に名前を記入するシステムです。1回の利用は40分までで、複数回利用してもよいのですが、お客さんがたくさんいる時には譲り合ってください、と予約簿に書かれていました。私が2時にチェックインした時には、同じ人の名前が、今日1回、明日1回書いてある人もいました。
こちらが貸切風呂への入り口です。
いったん建物の外に出ますが、屋根がついているので雨でも平気。すぐお風呂がある建物に入ります。
温泉の出入り口の表示が「空いています」を「入浴中」に変えて、中に入ります。
内側からカギをかけます。
こちらの貸切風呂は「北投石ラジウム浴室」というのがウリのようです。北投石は、天然のラジウム成分を含んでいて、北投石が放射するラドンガスが細胞を活性化させて血流が促進されるのだそうですよ。貸切湯なので脱衣所はコンパクト。
こちらにも洗面所あり、ドライヤーが用意されています。化粧水などはありません。
日の光が入って明るい浴室です。湯気もうもうで何が写っているのかわかりません。貸切湯にしては広い浴槽です。4人くらい入れそう。
広い湯船を独り占め。気持ちいいですね~。
貸切湯にもカラン・シャワーが設置されています。浴室内がちょっと熱くて、中にいるとのぼせそうだったので、10分くらいで退散。私は大浴場の方が気に入りました。なのでチェックインした時には、翌日の朝の分まで予約したのですが、翌日の朝は貸切湯はキャンセルし、大浴場のお風呂にしました。
泉質
泉質は「ナトリウム-硫酸塩泉(低張性-アルカリ性高温泉)」と表示されていました。pHが9.1と高く、入浴後はツルツルした感じがしました。お湯そのものには、においや色、とろみは感じませんでした。
食事
食事は温泉宿の楽しみの一つ。こちらの宿では旬と無添加にこだわった、野菜中心の体に優しい献立てが特徴です。お米は玄米を使用しています。愛鷹牛や豚しゃぶのプランもあるのですが、初めての宿泊だったので、一番スタンダードなお料理プランにしました。食事は食事処で皆さん6時から一斉にいただきます。
夕食
テーブルにつくと、まずこれだけのお皿が並んでいます。全部野菜料理。自宅では絶対無理なので、とても嬉しい。
飲み物のメニューを見たら、飲めない私には嬉しい、ご当地ジュースがあったので、「梅ジュース」を注文しました。
こちらが梅ジュース。爽やかな口当たりで美味しくいただきました。
お品書きがないので、お料理の内容は私の推測ですが少し紹介。
カボチャのオレンジと豆のグリーン、ナスの紫、レンコンの白の取り合わせが美しい一品。
こちらは新玉ねぎを使ったお料理かな。ちょっと酸味のある味付けでさっぱりした触感でした。家でも作ってみたかったのですが、レシピ聞き忘れました。
メインは赤魚の煮つけでした。
メインが出た後には玄米ご飯とお味噌汁に香の物が出ました。
食卓にごま塩があるので、お好みでごはんにかけて食べても良いです。
食後のデザートは甘味ではなく、柑橘系のフルーツでした。はっさくでしょうか。カロリーも抑えられていて良いですね。
朝食
朝食も夕食と同じ食事処・テーブルで朝8時から一斉にいただきます。野菜中心の献立で、たくぱく質はあじの干物でした。美味しくいただきました。
夕食・朝食共に無添加やオーガニックにこだわった食材でお料理が提供され、味も薄めでとてもヘルシー。ふだん肉食の私にはとても良いお食事でした。ただ量は軽めなので、スタンダードプランの場合、男性はおやつを持って行った方がよいかもしれません。また、食事の際にはおしぼりも、ナプキンもありません。魚を食べる時に私はちょっと手を使って骨をとったりするので、ハンカチなどちょっと手をふけるものがあると便利です。
共有の設備 冷蔵庫にマンガ、トイレなど
冷蔵庫
冷蔵庫は宿泊者共同で使うシステムです。なんだか湯治場みたいでおもしろいですね。冷蔵庫は階段を上がったところに設置されていて、冷凍庫もあるタイプです。冷蔵庫の上にマジックが置いてあるので、冷蔵庫に物を入れる時にはマジックで名前を書いて入れる仕組みです。
マンガ書庫
廊下の突き当たりには「マンガ書庫」があります。
中には漫画がたくさん。私が好きなゴルフの漫画「風の大地」があったので、部屋に数冊持って帰って読みました。できれば最新刊まであるともっと良かったのですが。
種類はいろいろありますが、少年漫画ばかり。
一条ゆかりの漫画とか、延々と続いている「王家の紋章」あたりがあると、朝まで読んでしまいそうです。女一人旅向けにお願いしたいところです(笑)
洗面所とトイレ
洗面所とトイレは2か所あり、うち1か所は女性専用です。洗面台はシンクが3つ。両サイドのシンクにはドライヤーが用意されています。下の写真の左手にウォシュレット付きトイレが2つあります。
夜トイレに行くと、個室側は人感センサーで照明がつくのですが、トイレにじっと座っていると、フッと消灯しちゃうの。もぞもぞと動けばまたセンサーが察知して点灯するので特に問題はないですが、最初はちょっとびっくりするかも。
洗面台の横にもこんなシンクがあります。部屋のポットの水はここで足せますね。
電気スタンドとヘルメット
廊下のシェルフには、なんのためなのかヘルメットがズラリ。地震対策なのかなー。あまりこういうの見たことないです。右の棚の上から2段目の備品は、電気スタンドです。
電気スタンドは部屋の数だけなさそうです。あるうちに借りました。
アクセス
私はマイカーで行きました。修善寺駅のあたりから県道の伊東修善寺線を上っていき、八幡という信号から山の中に入ります。県道は広くて問題ないですが、八幡から宿までは道が狭い所もあり、車がすれ違えない道幅の場所や橋があります。でも舗装はされているし、気を付けて走れば問題なし。一方公共交通機関の場合は、県道はバスが走りますが、バス停から宿まではかなり距離がある印象です。一日一往復だけ宿の送迎があると宿のホームページには出ていたので、そちらを利用するのが良さそうです。ただし宿の送迎は楽天などの旅行サイトからの予約の場合は不可で、宿のサイトからの予約のみ対応してくれと書いてありました。まだ修善寺駅に12時までに来られること、というのもお迎えをお願いするための要件です。
もし修善寺駅から宿のお迎えを頼むのであれば、ランチに「武士のアジ寿司」はいかが?
ちょっと小ぶりな駅弁ですが、アジが新鮮でおいしいです。
駅舎内で販売していますが、駅ロータリーの反対側に店舗「駅弁カフェ たけし」があり、そちらでいただくこともできるそうです。店舗であればスマホの充電もできるようです。私が先日行った時には定休日で残念!
まとめ
何といってもコスパが良いです。土曜日でも一人泊OKで、1万円しないのは感動的。お料理の量がやや少ないですが、最初から承知しておけば追加料理を頼んでも良いし、おやつを持っていけば良いことなので、問題ありません。野菜中心で、なんだかデトックスできたような感じがしました。客室数が少ないこともあり、お風呂は貸切になることも多く、のんびりできました。一方で布団もセルフだし、部屋にはトイレも座椅子もないので、いわゆるちょっとリッチな温泉旅館を希望する方には向かないと思います。
フロントの横には有名人のサインが多数飾られていて、東京からも近いし、のんびりしに来ているのかもしれませんね。